新感覚ホラー「ザ・ボーイ〜人形少年の館〜」の感想。

「ザ・ボーイ〜人形少年の館〜」というホラー映画をあまり期待せずに観たのですが、これがなかなか良かった。少しばかり感想を書いてみようと思います。

ネタバレすると面白さ&怖さが半減するタイプの映画なので、極力ネタバレはしませんが、事前情報無しの真っさらな状態で観たい方は、作品鑑賞後にお読みください。

あらすじ

グレタは、老夫婦と暮らす8歳の男の子のベビーシッターとして、イギリスの片田舎の豪邸に移り住むのだが、現地で彼女を出迎えたのは少年サイズの人形で、夫婦からこの人形の世話に関する不可解な10のルールを言い渡される。

雰囲気でじわじわ系?飛び道具で驚かし系?

ホラー映画には精神的にじわじわ怖がらせるタイプと、突然大きな音を出したりして驚かせる系の2つのタイプがあると思います。

完全にどちらかの手法に偏っているワケではなくとも、どちらかに比重が置かれている作品が多いのではないでしょうか。

「ザ・ボーイ」はというと、不気味な雰囲気でじわじわと怖がらせてくる部分もありつつ、飛び道具的に驚かせる部分もあり、バランスがとれていると感じました。

特質すべきは、後者の「飛び道具的な怖さ」。

怖さというと少しニュアンスが違うかもしれませんが、要するに思いがけないところでビックリさせられるタイプの恐怖の演出ですね。

よくあるのは、「ここで来る!?」と思わせぶりな演出をしておいて、実際に「霊的な存在」が現れたり、逆に何事も起きずにホッとさせたり、といったパターンですが、「ザ・ボーイ」のそれは一味違います。

視聴者の注意を惹きつつも落ち着いて観ていられるシチュエーションで、飛び道具的な怖さが訪れます。

あまり他のホラー映画では観られないパターンなので、視聴者は心の準備が出来ておらず、かなりビックリさせるはず。

ホラー成分は控えめ

ホラー映画とはいっても「ザ・ボーイ」のホラー成分はそれほど高くはありません。

基本的には映像が綺麗なのと、グロテスクなシーンも多くはないため、いわゆるスプラッター系ホラーの怖さとは趣の異なり、どちらかというと上品なホラーです。

個人的にはしっかり怖がらせてもらったので、ホラー耐性のない人を適度に怖がらせるには良い映画だと思います。

ストーリーは良いが腑に落ちない点もある

「ザ・ボーイ」はただの怖がらせ映画ではなく、ストーリーもしっかりしています。

常に次が気になる作りになって途中でダレることがないし、主人公のグレタの一見すると不可解とも思える行動にも「そりゃそうしちゃうよね」と、自然と感情移入してしまうような展開も魅力。

特に中盤あたりの、あれだけ不気味だった男の子と主人公の心が通じ合ったような出来事には、思わずホッコリさせられました。

そんな感じでストーリーは良いのですが、理論的に考えると「何でそうなったの?」という部分の説明が欠けているところも見受けられます。

要するに、説明不足だったり辻褄が合わない点があるということですね。

ただ、この映画に関してはストーリーを理詰めで考察し過ぎるのは野暮だし、そこは本質じゃないかなと。

ありそうであまりお目にかかれない「ザ・ボーイ」ならではのホラー感覚こそ、本作のキモなのではないでしょうか。

最後に

物語の序盤で、屋敷の夫人が主人公に「本当にごめんなさい」と声をかけて旅行に出かけるシーン。

いったい何が「ごめんなさい」なのか?

そこらへんを踏まえながら観ると、より一層本作を楽しめますよ。