
用途によってMIDIキーボードの必要な鍵盤数は変わるけれど
MIDIキーボードを購入するときに悩むのが、鍵盤の数ではないでしょうか?
特に初めて購入する時などは確固たる判断基準が無く、サイズや値段、Amazonやサウンドハウスなどでのレビュー評価の高さで選んでしまうことも多いかと思います。
最初はそんなもんですよね、たぶん。
MIDIキーボードの鍵盤の数は、一般的に25鍵、49鍵、61鍵、88鍵のものがあります。
25鍵は小型でモバイル用途に適した商品が多く、88鍵盤は生ピアノと同様のサイズになります。
25鍵 M-AUDIO OXYGEN25
88鍵 M-AUDIO KEYSTATION88
持ち運びしないというのであれば、個人的には61鍵か88鍵がオススメします。
実際使ってみないと実感できないかもしれませんが、49鍵だと微妙に鍵盤が足りません。
音源を1音ずつ鳴らすだけなら良いのですが、実際に鍵盤を押さえてコードを弾こうとすると、明らかに不自由します。
その点、61鍵だとかなり余裕です。
さらに88鍵はピアノと同じ鍵盤数ですので、鍵盤が足りなくなる心配は全くありません。
d88鍵MIDIキーボードを使うことのメリット
ピアノ曲が弾ける
88鍵のMIDIキーボードを買う大きな動機のひとつではないでしょうか。
本物のピアノとは鍵盤のタッチが違って弾きづらいなどということはありますが、鍵盤の数が揃ってるということは、大きな大きなアドバンテージ。
制作中の曲にピアノを入れたくなっても、鍵盤が足りないと曲の流れで演奏できないので、いちいちマウスでMIDIノートを打ち込まなければならず、少しでも鍵盤を弾ける人にとっては非常に手間。
実際に演奏してMIDIデータを記録した方が絶対楽だし、そもそも楽しいです。
サスティーンを制御するダンパーペダルを取り付ければほぼピアノですね。
ソフト音源の音色の確認が楽
MIDIキーボードはピアノなどの音程のある楽器を鳴らす他に、各鍵盤に違った音が割り振ってある音源もあります。
例えばドラム。
ドラムを構成するスネアドラム、バスドラム、ハイハットなどのパーツ毎に別の鍵盤に割り当てられており、マウスでポチポチと打ち込むよりも鍵盤をドラムセットに見立てて指で演奏した方が早い場合も多いです。
そんな時に、どの鍵盤にどんな音が割り当ててあるのかをまず確認すると思いますが、手持ちのキーボードの鍵盤数以上の鍵盤に音が割り当ててあったりすると、オクターブシフトで範囲を切り替えながら確認しないといけないので大変です。
例えば、Native InstrumentsのKOMPLETEにも含まれているStudio Drummerの「Garage Kit – Lite」には、画像のように77個の鍵盤に異なった音色が割り当てられています。
このような音源の場合、88鍵あると一気に音色の確認ができます。
確認だけならマウスでも可能ですけど、同時に鳴らしたりすることは無理。
キースイッチ付き音源の打ち込みが楽
オーケストラ系楽器を筆頭に、アーティキュレーション(奏法)を鍵盤で切り替えるタイプの音源がありますよね。
いわゆるキースイッチという機能なんですが、実際に音色を奏でる鍵盤とは離れた場所にキースイッチが設定してある音源が多く、おそらくある程度の鍵盤の数がないとリアルタイムで演奏しながらの切り替えは不可能な場合が多いと思います。
まあ、キースイッチを切り替えながらリアルタイム演奏をするという人がどのくらい居るかは分かりませんが、簡単なフレーズならリアルタイム入力して後でちょっと修正する方が早い。
Native InstrumentsのKontakt Factoryに含まれるフルート音源
実際に演奏する音域の部分(青色)とアーティキュレーションを切り替えるキースイッチの部分(赤色)が鍵盤上で遠く離れています。
88鍵盤のデメリットは特にない
88鍵盤のデメリットって何だろうと考えてみましたが、特にないんですよね。
まさに大は小を兼ねるという感じ。
サイズがでかいとか重くて持ち運びができないというのは据え置き型としては安定感という意味でむしろメリットですし。
鍵盤を弾くことがない、全部マウスで打ち込むという人には無用の長物かもしれませんが、そうでない方は88鍵のMIDIキーボードはおすすめです。
特に49鍵あたりは演奏用としては中途半端なので、88鍵にすればオクターブシフト等の煩わしさや、「低いGの鍵盤が足りない」といった悩みから解放されます。