
オーグメントコードとは
長(メジャー)3和音を構成する3つの音程「1度、3度、5度」のうち、5度を半音上げたもの。
メジャーコードの明るい響きを基調としながらも、どこかミステリアスな感じがして、おしゃれな雰囲気もあります。
コードネーム上はaugと表記されます。
日本語では増三和音。
日本語と分かりづらいですが、5度の半音上の音を日本語で増5度と呼ぶため、5度の音が増5度の音と入れ替わった三和音とが増三和音だと覚えると良いかと思います。
では、Cのコードを例にとって考えてみましょう。
Cコードを構成する3つの音程はドとミとソ。
五線譜に書くとこうなります。
Cの三和音
通常の3和音の場合、一番上が5度の音になります。
5度の音を半音上げてやるとオーグメントコードになります。
Caug(増三和音)
ここまでは簡単ですね。
ちなみに、マイナーコードのオーグメントはあってないようなものなので、考えなくてOKです(マイナーコードをオーグメント化すると全く別のメジャーコードになってしまう)。
では次に、魅力的な響きを持ったオーグメントコードを楽曲に取り入れる簡単な方法をご紹介します。
ドミナントコードをオーグメントにする
ドミナントコードについてはここで詳しくは触れませんが、簡単に言うとキーがC(ド)の曲ならそこから数えて5度上の音をルート(根音)とした和音です。
Cの5度上の音の三和音はG。
ドミナントコードは4和音で使われることが多いので、ここではG7として考えていきます。
G(ソ)をルート(根音)とした4和音
キーCにおけるドミナントコードであるG7の5度の音を半音上げると次のようになります。
Gaug7
これだと若干濁った響きになるので、シンプルにしたければ7を抜いてGaugへ。
実際の使いどころとしては、Aメロ、Bメロ、サビなどの曲の各セクションの最後のコードがドミナントコードだったら、試しにオーグメントに変えて曲調マッチするか聴いてみましょう。
歪んだギターが鳴ってるようなロック調の曲には合わないかもしれません。
穏やかなポップス系にはだいたい合うと思いますし、古いジャズみたいな雰囲気を出したい時にもオススメです。
サビの後半、原曲はF-C-G-G7-Gaugという流れですが、オーグメントを強調するためにG7の部分もGaugにして、F-C-G-Gaugという進行にしています。
このままだとメロディの一部の音(E)とaug(D#)の音が半音でぶつかってしまう為、メロディのEの音を半音下げてaugとユニゾンになるようにしました。
これによってサビの雰囲気が大人っぽくなってます。
トニックコードでも効果的に使える
オーグメントはトニックのコードに用いるのも有効です。
トニックコードとは、その曲のキーとなるコードのことです。
使い方はいたって簡単。
キーをCとして説明します。
C-F-G-Cというコード進行があった場合、序盤のCを分割してC-Caug-F-G-Cとします。
他にもC-Caug-Am-F-G-Cのような進行も自然です。
Cから次のコードへ少しずつ変化していく流れるような感じを演出できます。
この手法はトニックのコードがなっている時間が長い場合に特に有効で、コードを大きく変えたくはないけれど少しずつ変化が欲しい場合に多用されている印象。
ちょっと複雑な和音やコード進行を、意図的に使えるようになったら最強ですよね。