ボーカルのリズム感は軽視されがち

一般的に歌が上手いといえば「音程を外さず歌えているか」「表現力があるか」あたりが判断基準になってます。
もちろんこれらもとても重要な要素なのですが、もしかするとそれよりもっと大事なのが「リズム感」です。

 

上手いと感じるボーカルは間違いなく「リズム感」が良いです。
「リズム感が良い」というと抽象的で解りづらいかもしれませんが、端的にいうと、一定のリズムをキープしながら歌えるということです。
そのうえで、リズムに対して歌を早めたり遅れせたりする表現方法もあるのですが、それらも前提として一定のリズムで歌えて初めて有用性のあるテクニックとなります。

リズム感のないボーカルと、その弊害

バンドにおいて、リズムを担ってるのは「ドラム」だと思われがちです。
特に楽器を演奏することに興味のない人はそうだと思います。
たまに、リズム隊というくくりで「ベース」もリズム楽器だと認識している人がいるくらいです。

 

しかし、バンド経験者ならお分かりでしょうが、実際のバンド演奏においては、メンバー全員でリズムを作っていく必要があります。
ドラマーがしっかり安定したビートを叩いていたとしても、他のパートのリズムがめちゃめちゃだと、音楽として成立していないと言っても過言ではありません。

 

それでは、バンドのボーカリストがリズム感のない歌を歌えばどうなるでしょうか?

 

リズム感のないボーカリストの特徴としては、僕の経験上、曲のリズムに対して先を急いで歌ってしまうことがほとんどです。
俗にいう「走る」というやつで、大げさに例えるならば、演奏がサビに入ってないのにボーカルが先にサビを歌い始めるというような状況です。
次の展開に気をとられるあまりに、リズムを感じてる余裕が無くなってるんですね。

 

ボーカルが走ってしまった場合、本人が気がついて元のリズムに戻れば大して問題ではないのですが、厄介なのは走った本人に自覚がない場合です。
走っていることに気がつかないので、そのままどんどん一人で先へ行ってしまいます。
後ろで演奏してるバンドは、一人で先へ走ったボーカルに無理やり合わせるしかなくなります。

 

リズムの変化に聴いている方は敏感に察知します。
意外と思われるかもしれませんが、ボーカルの多少の音程(ピッチ)のズレよりも、リズムのズレの方が目立つのです。
ですので、ボーカリストは音程と同じくらい、リズムに気をつける必要があります。

 

(「走る」の反対で、演奏に対して遅れて歌うのを「モタる」と言いますが、リズム感がなくて「モタる」という人はあまりいないですし、「モタる」ことは音楽的に考えると逆にプラスだったりすることも多いので、ここでは特に触れません)

 

ボーカルのリズム感を鍛える練習方法

 

ボーカルに限らず、安定したリズムで歌ったり演奏をする感覚を鍛えるには、メトロノームを使った練習が有効です。

実際にやってみると分かるのですが、自分が感覚的に一定のリズムだと思っていたものが、メトロノームと合わせてみると、実は走ったりモタったりしていることがあります。
メトロノームの正確なリズムをカラダで覚えることによって、安定したリズムに矯正していこうというわけです。

 

練習方法は簡単で、メトロノームに合わせてアカペラで歌うだけです。
同じ曲で、BPM(テンポの速さ)を色々変えてみるのも効果的です。
伴奏がないので音程の練習にはなりませんが、ここはリズム感を養うことにフォーカスしてみましょう。

 

メトロノームはスマホのアプリとして無料でダウンロードできますし、専用の機材だとより直感的に操作できるので便利です。
僕はKORGのMA-1というメトロノームを使ってます。
ドラムの練習や、たまにライブでも活用してます。
安いので、1台持っておくと便利です。

 

リズム感のあるボーカルは、聴き手に安心感を与えます。
気にしたことがなかった方は、ぜひ参考にしてみてください。