日食なつこファンを公言してきた僕ですが、発売されたばかりのミニアルバムを聴いて確信しました。ハッキリ言って天才だと思うんですよ。

作品情報

逆燐マニア/日食なつこ

  1. ログマロープ
  2. 神様お願い抑えきれない衝動がいつまでも抑えきれないままでありますように
  3. 大停電
  4. it seems like  a frog
  5.  グローネンダール
  6. Dig
  7. サイクル
  8. あのデパート

88鍵の旋律と、凡百のリリックを操るSSW「日食なつこ」
アシッドジャズ、ファンク、ソウル、ロックなどジャンルの壁をぶち破り、退屈な世界を切り拓く、きら星の如き8篇のニュー・ピース

ドラマー対決の末に辿り着いた最新作は、初のセルフプロデュースによる8曲入りミニアルバム。
楽曲の色彩をさらに色濃いものとするべく、椎名林檎、UAをはじめ昨年復活したYENTOWNBANDなど
第一線で活躍するギタリスト「名越由貴夫」、前作に引き続き元tricotのドラマー「komaki」、
国内外のロック・ジャズフェスティバルへ出演する実力派ブラスバンド「BLACK BOTTOM BRASS BAND」
他の凄腕ミュージシャン達を起用。
ビブラフォンにbonobosの「田中佑司」を迎えるなど、新たな楽器も採用している。
ジャンルの壁を打ち破り、新たな音像の世界を切り拓く、日食なつこの時代を切り裂く最新作。

出典:amazon.co.jp

【逆燐マニア/日食なつこ】全曲レビュー

1.ログマロープ

断崖絶壁切り立った崖のその切っ先に立ってんだ
もう1秒だって今の自分で居たくないんだ
目下に広がる大展望は未来の気配を孕んでいる
始めることも終わらすことも出来る

いきなり生きるか死ぬかの瀬戸際みたいな歌詞で始まります。
半年間、曲がひとつも作れない状況が続いていることにいい加減嫌気がして、何もかもぶちまけてできた曲なんだそうです。

 

曲も歌詞も驚異の完成度だと思うんですが、本人は何の計算もしていないらしく。。
まさに心の叫びってやつで、聴いてる方も何かに追い立てられるような気分になってきますね。

 

ログマロープは造語で、仮タイトルの「マグロ丼」をもじったんだとか。ピリピリした曲調とのギャップがすごい。

2.神様お願い抑えきれない衝動がいつまでも抑えきれないままでありますように

ヴィブラフォンが印象的なミドルテンポのナンバー。
こういう曲ってノッペリしたアレンジになりがちなんだけど、意表をつくサビに入ってから裏拍の強調とか、「普通にしたくない」って意思が感じられます。

 

これってたぶんアレンジの段階になってこねくり回したんじゃなくて、初期の段階で形になってたんじゃないかって思います。
だとしたら、なかなかの思い切りの良さですよね。

3.大停電

人力EDM(笑)。まだアルバムがリリースされたばかりなのであまり聴き込めてないんですが、歌詞は学校をテーマにしたものでしょうか。
最後の方でヴォーカルとコーラス(バックボーカル)がぶつかってるのもかっこいいです。

アナログでEDMをやったら打ち込みの人たちがびっくりするだろうなという目論見があったそうです。
この曲だけドラムが太いです。

4.it seems like a frog

いつもアルバムに1曲は入ってるかわいくて親しみやすいタイプの曲。
かわいいくせになんとサビに行くまでコード進行がないんですよ。
Cだけの1コード。
しかも最初のサビに行くまでの1分45秒間ずっとC。
その分メロディが動くので音程が取りにくそうです。

 

サビに入るとうって変わって「NHKみんなのうた」ですか?とでも言いたくなるようなどキャッチーな雰囲気に。
歌詞までもがみんなのうたっぽい。
振り幅すごい。
何気にピアノを半音でぶつけてるのもかっこいいなあ。

5.グローネンダール

たまにある英語多めの歌詞。
グローネンダールはベルギー産の犬の品種名だそうです。
このアルバムで一番ほっこりする曲ですね。

 

ログマロープみたいなロックな曲ではすごく力強い日食なつこさんの歌声ですが、こういった優しい歌にもすごくマッチしますね。
というか歌い方とメロディーの美しさに泣く。

6.Dig

日食さんの曲としては珍しく(初めて?)ホーンセクションが入ってます。
ドラムがほとんどモノラルで真ん中に寄ってたりして、サウンドだけ聴いてると70年代のファンクなポップスみたいです。

この曲だけ聴いてこういう志向のヴォーカリストだと思ってしまう人もいるんじゃないかなってくらいハマってますね。

7.サイクル

これは最強だなあ。椎名林檎のおどろおどろしい部分を抽出して煮詰めた感じ。
サビが終わってからのAメロで唐突に全音上に転調するのが痺れる。巻き舌上等。

働きに出よう
名刺を配ろう
家に帰ろう
妻を抱こう
眠りにつこう
働きに出よう
早いところ死んでしまおう

 

途中で童謡の「花いちもんめ」のオマージュが出てきたりしてめっちゃ狂気。

8.あのデパート


唯一のバラードらしいバラード。
名曲だと思うんだけど、他の曲がインパクト強すぎて。
いや、めちゃめちゃ感動的ですよ。
日食さんの曲の中では万人受けしそうなタイプ。

最後に

「10年に一度の逸材だ」みたいな言い方がありますが、日食なつこさんはマジでそんなレベルで語られてもおかしくないアーティストじゃないでしょうかね。
アップルミュージックなどの各種音楽ストリーミングサービスでも配信が始まっているので、気になった方はぜひ聴いてみてください!

アルバムの全曲ダイジェストが聴けます。