ビートルズはもうそれ自体がひとつの音楽ジャンルみたいなもので、ミュージシャン同士の会話でも「あの曲のあの部分っぽい感じで!」みたいな会話が成立してしまう共通言語になってしまっていると言っても過言ではないと思います。

楽器の音作りや楽曲のミックスにおいてもひとつの指針となっているわけですが、現代においてそのサウンドを作ろうとすると、それなりの知識と手間が必要。

そこで、「あのビートルズサウンドをお手軽に再現」というのがEast West社のFab Four(ファブフォー)のコンセプト(想像)。

East West Fab Four

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Fab Fourとは、ビートルズの4人を表す愛称みたいなものです。

EAST WESTの「Fab Four」は2009年リリースの音源なので今更感はありますが、詳しくレビューしていきます。

収録音源

ファンならネーミングを見ただけで原曲が何なのかは分かると思います。

あと、ドラム以外の楽器に詳しくないのでかなり適当です。

ギター

・Come To Guitar Rhythm(1956 Epiphone Casino Electric Guitar/1967 Fender DeLuxe Amp)

1度と5度のパワーコード。キースイッチを使えば5度の音を簡単に6度、短7度と切り替えて演奏できます。ロックやブルース系の打ち込みに重宝しそう。ミュートする加減の違う2種類が入ってます。

・Come To Guitar Solo (1957 Les Paul Goldtop Electric Guitar/1963 Fender Bassman Amp)

すべての音程にチョーキングのパッチあり。
・Everybody’s Got Guitar (1956 Epiphone Casino Electric Guitar/1966 Vox Defiant Amp)

あの歪んだリフの音です。

・Fixing A Guitar Solo (1956 Fender Stratocaster Electric Guitar/1966 Vox Defiant Amp)

ギターが入ってる印象がなかったので意外でした。

・Getting A Better Guitar (1951 Fender Telecaster Electric Guitar/1966 Vox 730 Amp)

イントロから印象的なあの音。そのまんま。

・Get Back My Guitar (1956 Epiphone Casino Electric Guitar/1967 Fender Showman Amp)

短い音価のパッチなど。

・Here Comes The Guitar (1966 Gibson J200 Acoustic picked/ADT)

アコギのダブルトラックな音色。

・I’m Only A Backward Guitar (1956 Epiphone Casino Electric Guitar/1966 Vox 7120 Amp)

サイケなギターの逆回転(逆再生)。素敵やん。音の切れ方が違う4種類のパッチもあっていい感じ。

・I Want You Guitar (Epiphone Casino/Fender DeLuxe and Fender Strat/Fender Tan Showman/doubled)

普通。

・I Will Guitar Solo (1966 Martin D28 with ADT)

こんな音だったっけ。ギター弾きじゃないから全然意識してなかった。

・I’m A Blackbird(1966 Martin D28 Acoustic Guitar fingered and picked)

単音弾きはもちろん、コードストロークもメジャー、マイナーに加えてSus4、7thがキースイッチで切り替え可能。スライドは半音と全音が分かれてて楽しいねコレ。

・Help I’m A Lead Guitar (1963 Gretsch Tennessean Electric Guitar/1965 Vox AC50 Amp)

ん?ない。

・Lucy Lead Guitar (1956 Fender Stratocaster Electric Guitar with Leslie Speaker)

イントロで聴けるレズリースピーカーを通したギターサウンド。

・Michele Guitar Solo (1956 Epiphone Casino Electric Guitar/1963 Fender Bassman Amp)

普通です。

・Nowhere Guitar (1956 Fender Stratocaster Electric Guitar/1963 Vox AC30)

ソロの方。普通です。

・Party Guitar Pepper Guitar (Gibson SG Guitar/1966 Vox Defiant Amp)

キンキンしたあの音です。

・Revostortion Guitar (1965 Epiphone Casino Electric Guitar/2 x REDD 47 Preamps)

キースイッチ沢山。イントロそのまんまのフレーズがあって笑った。

・Roll Over Guitar (1959 Gretsch Firebird Electric Guitar (Roc-Jet)/1963 Vox AC30 Amp)

ハンマリングオン、プリングオフなど。速いフレーズもしっかり打ち込めばいい感じになりそうです。

・Something Is A Guitar Solo (1957 Les Paul Goldtop Electric Guitar/1963 Fender Bassman Amp)

スライドしてビブラートかける感じがいいですね。

・Something Is Solo Guitar (1951 Fender Telecaster Electric Guitar with Leslie Speaker)

あの音です。

・Something Is A Rhythm Guitar Chords (1951 Fender Telecaster Electric Guitar with Leslie Speaker)

曲中で印象的に使われているコード集的な何か。

・Ticket To Guitar (Rickenbacker 360-12 Electric Guitar/1965 Vox AC50 Amp)

おお、12弦!

ベース

3種類しかないです。

個別にレビューするほどではないんですが、一通り聴いた感じでは原曲で使われている音色や奏法はノイズ的な音も含め網羅されてると思います。

・Bass Tripper (1963 Hofner 500 Bass)
・Come To Bass (1963 Hofner Bass)
・With a Little Help From My Bass (1964 Rickenbacker 4001S Bass)

ドラム

・Come To Drums (1960 Ludwig Downbeat Kit)

タオルミュート!こういう音源ってあまり無いので貴重なんじゃないでしょうか。特にタムのペチペチ感とPANが移動していく感じは良いです。

・Day In The Drums (1960 Ludwig Downbeat Kit)

涙。こんな音が一発で出せるのは頼もしいですね。リバーブの感じやタムのチューニングまで再現してあるので、鍵盤でタム回しするだけでリンゴ・スターが叩いてるんじゃ無いかと錯覚するほど。

・Help I’m A Snare (plus kit) (1960 Ludwig Downbeat Kit)

これはどういう位置付けなのかな。初期〜中期ビートルズでオールマイティーに使える気がするけど。鍵盤への割り振りが独特で使いづらい。

・Modulated Fairchild Cymbals (Zildjian Cymbals)

コンプのFairchildを通したジルジャンのシンバルの音。僕も子供の頃にビートルズを聴いてて、サスティーンが異様に長いこの音に憧れてたので、需要もあるんでしょうね。

・Penny Snare (plus kit) (1960 Ludwig Downbeat Kit)

聴けばわかる、1967年頃のスネアのスナッピー緩めのルーズなサウンド。

・Strawberry Drums (1960 Ludwig Downbeat Kit)

もう少し音を太くしてあげるとよりそれっぽくなるかも。
・Ticket To Drums (1960 Ludwig Downbeat Kit)

この曲を特徴付けているタムのロールが無いとは。残念。

・What You’re Drumming (1960 Ludwig Downbeat Kit)

ロータムとスネアの音に感動。でもキック(バスドラム)が無いのは、他の音源使えってことなのかな。めんどくさくない?

・Yer Drums (1960 Ludwig Downbeat Kit)

空気感がヤバいです。深くかかったコンプの感じが好き。

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鍵盤

・Because I’m A Harpsichord (Baldwin Electric Harpsichord/Baldwin Amp)

エレクトリック・ハープシコード
・Lucy In The Lowery (Lowery Heritage Deluxe Organ)

イントロのオルガンの音。
・Madonna Piano (Steinway B Piano/ADT)

なんだかやりすぎな感じが。

その他の楽器

・Baby I’m A Clavioline (Clavioline/Baldwin Amp)

クラヴィオリンっていう楽器は初めて知ったんだけど、原理的には松ヤニを塗ったローラーを電気で回転させてバイオリンの弦を演奏し、アンプで増幅する仕組みらしいです。戦後すぐの1947年に誕生だとか。

・Strawberry Flutes (original sound licensed from www.mellotron.com)

メロトロン。フルートの音色。これも原曲のサウンドを忠実に再現されてます。

・Swarmandel Forever (Swarmandel)

知りません。
・We Can Work A Harmonium (Harmonium)

ハーモニウム。あの音です。
・Within A Sitar (Sitar)

インドの弦楽器。

ネタ元の2曲あり、奏法も豊富なので、純粋にシタールの音源としても優れているのではないでしょうか。

・Within A Tabla (Tabla)

インドの打楽器。

こちらも音色(奏法)が豊富で使い回しが効きそうです。

エフェクト

より”らしい”サウンドにするためのエフェクトも充実。

・ADT(Artificial Double Tracking)

当時のビートルズのエンジニア”ケン・タウンゼント”が開発し実際に使っていた装置で、要は同じパートを二回歌わなくても機械的にダブルトラックを作り出せるシステム。

これはそのシミュレーターですね。

ジョン・レノンが同じ歌を2回レコーディングすることを面倒くさがったために開発されたという曰く付き。笑

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・Stereo Spread

Fab Fourの音源は原曲に沿ったPANが設定されており、例えば原曲のドラムがモノラルだったらモノラルなんですが、あえてStereo Spreadで音像を広げてあげると、これまたビートルズっぽい疑似ステレオ感が簡単に作れます。

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この他にも、ディレイ、リバーブ(プリセット豊富)、ADSRのエンベローパーが使えます。

まとめ

音源のリストは代理店であるHigh Resolutionのサイトから持ってきたんですが、どこにあるのか分からない音が一部ありました。

それと、公式のリストにはありませんでしたが、パーカッションのカウベル、タンバリン、ハンドクラップが数種類ずつ収録されてます。

ハンドクラップは、人数感が2〜3人でバラつき加減の異なるものが数種類あっていい感じです。

極端にピッチが低かったりする音もなく、自然な感じが出しやすそうです。

完全なビートルズファン向けの音源だとは思いますが、East Wastの月額制サービス「ComposerCloud」の対象音源でもありますので、気になった方はチェックしてみてください。

East West ComposerCloud

やりたいことが分かっていれば便利かもしれません。